トランスミッションオーバーホール |
今回は4速トランスミッションオーバーホールの依頼です。
ミッションのみ持ち込まれての作業依頼ですのでちょっと詳しく作業報告していきます。
まずは分解する前に現状の把握からです。
キックカバーを開けると・・・かなりオイルが汚れています。
そして、今回のオーバーホールに至ったのがこちら。
メインドライブギア(メインの4速ギア)の破損。
この歯の破損の原因を追究します。
まずは部品を洗浄して、チェック&測定です。
いろいろ測定して考察してオーバーホール内容を決定。
まずはメインドライブギアベアリングレースが傷んでいたので
交換→ラッピングにてローラーベアリングのサイズ合わせ。
カウンターシャフトの左右のブッシュも相当傷んでいましたので交換。
こちらはケースにブッシュがはまる穴も傷んでいましたので
ラインでホーニング。ブッシュ圧入後ブッシュ内をホーニングでサイズ合わせ。
これらをお師匠様にバッチリやってもらい、そこから組み立てです。
今回、各ギアにダメージ、摩耗が大きかったので
クロスレシオのギアセットに換装します。
クロスと日本語では言っていますが本当はclose(近い)という意味です。
では何が近いのか?
このクロスレシオギアセットでは1速と3速の減速比が変わり
お互い2速の減速比に近くなります。
ということは今まで1速は動き出したらすぐ2速にシフトアップしていたのが
もうすこし1速でひっぱれるようになり
今まで2速でひっぱって3速にシフトアップしていたのが
2速そこそこで3速にシフトアップしてもガクガクせずスムーズに走れるようになると
より4速ミッションでも走りやすくなるということです。
こちらのミッションは76後期FXのミッションですので3速の減速比のみの変更になります。
脱線しましたが、まずはメインドライブギアのエンドプレイ(横方向の遊び)の調整。
そしてメイングループを組んでいきます。
3速ギアのエンドプレイ調整。
キックスターターギアのブッシュはガタガタだったので
交換、リーマー&ホーン仕上げ。
というわけでメイングループ準備完了。
ケースに取付けます。
次はカウンターグループ。
カウンタークラスターギア(3、4速ギア)のベアリングクリアランス測定。
1、2速の測定からブッシュ交換、サイズ合わせ。
2速ギアのエンドプレイ調整。この調整はワッシャーが一種類しかリリースされていないので
そのワッシャーをスペシャルサイズに加工してもらい調整。
ケースに組み込みカウンターグループのエンドプレイ調整。
次はシフターです。
これらはシフターフォークです。上が今まで入っていた物。下が新品です。
シフターフォークはこんな薄さです。
ケースに組み込みシフターフォークの位置調整。
ちなみに、このシフターフォークがドッグギアと呼ばれるギアを
左右にスライドさせて隣のギアと噛み合わせてギアチェンジを行っています。
このギアチェンジの構造を理解してもらいたいのが
クラッチの切れ不良などでうまくギアチェンジが出来ない時に
無理やり力任せにギヤチェンジすると薄いシフターフォークが曲がってしまいます。
組む時にシフターフォークの位置調整をするのはしっかりギアチェンジできるようにするためです。
シフターフォークが曲がるとその位置が変わり、中途半端にギアが噛み合い
何かの拍子にギアが抜ける、またその逆などの不調が現れます。
また脱線しましたが、次はトップカバー。
シフターのブッシュ交換、リーマー&ホーン仕上げ。
クリアランスばっちりでカチッとしました‼
お次はキックカバー。
キックシャフトブッシュ交換。キックシャフトに合わせてそれぞれのブッシュを
リーマー&ホーンでサイズ合わせ。
このキック周りの組み立てはいろいろやる事があります。
ケースのキックサイドもいろいろ確認します。
スローアウトベアリングは交換しました。
ここでまた余談です。
クラッチを切るというのは、このスローアウトベアリングを介してクラッチプッシュロッドを
押してクラッチ板を離れさすということです。
クラッチを切っている間、スローアウトベアリングは押し付けられて回っています。
なので信号待ちなどでずーっとクラッチを切ったままにすると
その分早くスローアウトベアリングは摩耗します。
ベアリングを長持ちさせるためには不要にクラッチを切らないことです。
フットクラッチの方は出来るだけ止まる時にはニュートラルに入れることをお勧めします。
というわけで、トランスミッション完成‼
そして、クラッチシェルとハブもお預かりしていたので
各部チェック、測定。
適正なサイズのベアリングを入れて組立完了‼
TNさん、今回は遠いところ本当にありがとうございました。
TNさんはお隣、島根県松江市から当店にお越しいただきました‼
遠いところと書きましたが、私にとって島根県はすごい身近な場所ですので
島根県の皆さん、何かご要望がありましたら伺いますのでお気軽にご連絡ください‼
ODA SYCLE
〒731-0101
広島県広島市安佐南区八木2-18-38
TEL/FAX 082-962-9200
ホームページ
facebook
instagram
ミッションのみ持ち込まれての作業依頼ですのでちょっと詳しく作業報告していきます。
まずは分解する前に現状の把握からです。
キックカバーを開けると・・・かなりオイルが汚れています。
そして、今回のオーバーホールに至ったのがこちら。
メインドライブギア(メインの4速ギア)の破損。
この歯の破損の原因を追究します。
まずは部品を洗浄して、チェック&測定です。
いろいろ測定して考察してオーバーホール内容を決定。
まずはメインドライブギアベアリングレースが傷んでいたので
交換→ラッピングにてローラーベアリングのサイズ合わせ。
カウンターシャフトの左右のブッシュも相当傷んでいましたので交換。
こちらはケースにブッシュがはまる穴も傷んでいましたので
ラインでホーニング。ブッシュ圧入後ブッシュ内をホーニングでサイズ合わせ。
これらをお師匠様にバッチリやってもらい、そこから組み立てです。
今回、各ギアにダメージ、摩耗が大きかったので
クロスレシオのギアセットに換装します。
クロスと日本語では言っていますが本当はclose(近い)という意味です。
では何が近いのか?
このクロスレシオギアセットでは1速と3速の減速比が変わり
お互い2速の減速比に近くなります。
ということは今まで1速は動き出したらすぐ2速にシフトアップしていたのが
もうすこし1速でひっぱれるようになり
今まで2速でひっぱって3速にシフトアップしていたのが
2速そこそこで3速にシフトアップしてもガクガクせずスムーズに走れるようになると
より4速ミッションでも走りやすくなるということです。
こちらのミッションは76後期FXのミッションですので3速の減速比のみの変更になります。
脱線しましたが、まずはメインドライブギアのエンドプレイ(横方向の遊び)の調整。
そしてメイングループを組んでいきます。
3速ギアのエンドプレイ調整。
キックスターターギアのブッシュはガタガタだったので
交換、リーマー&ホーン仕上げ。
というわけでメイングループ準備完了。
ケースに取付けます。
次はカウンターグループ。
カウンタークラスターギア(3、4速ギア)のベアリングクリアランス測定。
1、2速の測定からブッシュ交換、サイズ合わせ。
2速ギアのエンドプレイ調整。この調整はワッシャーが一種類しかリリースされていないので
そのワッシャーをスペシャルサイズに加工してもらい調整。
ケースに組み込みカウンターグループのエンドプレイ調整。
次はシフターです。
これらはシフターフォークです。上が今まで入っていた物。下が新品です。
シフターフォークはこんな薄さです。
ケースに組み込みシフターフォークの位置調整。
ちなみに、このシフターフォークがドッグギアと呼ばれるギアを
左右にスライドさせて隣のギアと噛み合わせてギアチェンジを行っています。
このギアチェンジの構造を理解してもらいたいのが
クラッチの切れ不良などでうまくギアチェンジが出来ない時に
無理やり力任せにギヤチェンジすると薄いシフターフォークが曲がってしまいます。
組む時にシフターフォークの位置調整をするのはしっかりギアチェンジできるようにするためです。
シフターフォークが曲がるとその位置が変わり、中途半端にギアが噛み合い
何かの拍子にギアが抜ける、またその逆などの不調が現れます。
また脱線しましたが、次はトップカバー。
シフターのブッシュ交換、リーマー&ホーン仕上げ。
クリアランスばっちりでカチッとしました‼
お次はキックカバー。
キックシャフトブッシュ交換。キックシャフトに合わせてそれぞれのブッシュを
リーマー&ホーンでサイズ合わせ。
このキック周りの組み立てはいろいろやる事があります。
ケースのキックサイドもいろいろ確認します。
スローアウトベアリングは交換しました。
ここでまた余談です。
クラッチを切るというのは、このスローアウトベアリングを介してクラッチプッシュロッドを
押してクラッチ板を離れさすということです。
クラッチを切っている間、スローアウトベアリングは押し付けられて回っています。
なので信号待ちなどでずーっとクラッチを切ったままにすると
その分早くスローアウトベアリングは摩耗します。
ベアリングを長持ちさせるためには不要にクラッチを切らないことです。
フットクラッチの方は出来るだけ止まる時にはニュートラルに入れることをお勧めします。
というわけで、トランスミッション完成‼
そして、クラッチシェルとハブもお預かりしていたので
各部チェック、測定。
適正なサイズのベアリングを入れて組立完了‼
TNさん、今回は遠いところ本当にありがとうございました。
TNさんはお隣、島根県松江市から当店にお越しいただきました‼
遠いところと書きましたが、私にとって島根県はすごい身近な場所ですので
島根県の皆さん、何かご要望がありましたら伺いますのでお気軽にご連絡ください‼
ODA SYCLE
〒731-0101
広島県広島市安佐南区八木2-18-38
TEL/FAX 082-962-9200
ホームページ
by odasycle
| 2017-06-18 15:05
| Diary